海外不動産を検討する前の確認(外務省・現地公式)
海外不動産の情報は、販売会社やセミナーの資料が中心になりがちです。その国の治安情報、現地の税制、日本側の税と報告義務を、それぞれの公式情報で確かめる順序を整理します。
更新日:2026-10-12(制度・数値は同日に公的機関・公式ページで確認)
1. その国・地域の安全情報(外務省)
外務省の海外安全ホームページでは、国・地域ごとの危険情報をレベル1(十分注意)からレベル4(退避・渡航中止)の4段階で公表しています。現地を訪問する場合、3か月未満の滞在は「たびレジ」、3か月以上の滞在は在留届(ORRnet)の登録が案内されています。
物件を管理するために現地へ行く必要があるか、行けなくなった場合に誰が対応するかも、購入前に決めておきたい点です。
2. 現地の税制:売却時の源泉徴収の例(米国)
米国では、外国人が米国の不動産を譲渡する場合、FIRPTAにより買主が源泉徴収を行います。IRS(米国内国歳入庁)によると、源泉徴収率は原則として譲渡対価(amount realized)の15%(2016年2月17日より前の譲渡は10%)です。買主が居住用として取得し譲渡対価が30万ドル以下など、一定の例外があります。
40万ドルで売却する場合、15%の6万ドルが源泉徴収されます。1ドル150円なら900万円で、売却代金の受取額が一時的に大きく減ることになります。
最終的な税額の精算方法は現地の申告制度によるため、米国の税務専門家に確認してください。他の国では制度が異なり、各国政府の公式情報で確認する必要があります。
3. 日本側の税と報告
| 項目 | 内容 | 詳しく |
|---|---|---|
| 国外中古建物の赤字 | 2021年分以降、減価償却費相当部分は損益通算不可 | 海外中古建物の減価償却 |
| 円換算 | 原則TTM(不動産所得はTTB・TTSも可) | 為替感応度 |
| 国外財産調書 | 12月31日に5,000万円超で翌年6月30日まで | 国外財産調書 |
4. 権利と取引の仕組み
- 外国人が土地・建物を所有できるか、所有できる形態(区分・持分・借地権など)
- 登記制度と、権利を証明する書類の言語
- 代金の送金方法と、エスクロー等の仕組みの有無
- 日本の業者が関与する範囲(紹介だけか、契約当事者か)
- 現地の管理会社と、家賃送金・報告の方法
これらは国ごとに異なるため、販売資料の説明を現地政府の公式情報や現地の専門家で裏付けてください。
相談先・申込先の選び方
海外不動産のセミナーや面談を利用する場合は、上の4項目について、どの情報源(現地の法令・政府機関)に基づく説明かを質問してください。日本の税務は税務署・税理士、現地の法令・税務は現地の専門家と、確認先が分かれることを前提に計画しましょう。
よくある質問
海外物件の説明会で聞いた制度は信頼できますか?
説明会の資料は参考になりますが、制度は改正されることがあります。現地政府や外務省、国税庁など公式情報で裏付けてください。
出典・公的情報
- 外務省|海外安全ホームページ(2026-10-12確認)
- 外務省|危険情報の解説(レベル1〜4)(2026-10-12確認)
- IRS(米国内国歳入庁)|FIRPTA Withholding(2026-10-12確認)
- 国税庁|No.1391 不動産所得が赤字のときの他の所得との通算(2026-10-12確認)
- 国税庁|財産債務調書及び国外財産調書のお知らせ(2026-10-12確認)
- 国税庁|所得税基本通達 法第57条の3《外貨建取引の換算》関係(2026-10-12確認)
米国の制度は一例として掲載しています。各国の制度は改正されるため、購入時点の現地公式情報で確認してください。
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