投資用ローンの書類と不正融資の事例
投資用不動産の融資では、販売業者が借り手の書類を代わりに準備する場面があります。金融庁の行政処分で明らかになった手口を知っておくと、自分の書類がどこで書き換えられ得るかが分かります。
更新日:2026-10-12(制度・数値は同日に公的機関・公式ページで確認)
金融庁の行政処分(2018年10月5日)
金融庁はスルガ銀行に対し、銀行法26条1項に基づき、新規の投資用不動産融資などを2018年10月12日から2019年4月12日まで停止するよう命じました。公表資料で指摘された主な問題は次のとおりです。
- 販売業者が賃料や入居率を水増しし、一部は数値を改ざんしていた
- 預金残高・収入資料・売買契約書の改ざん、借入による「見せ金」が使われていた
- 融資担当の行員が改ざんを認識・推測しながら融資を続けた事例があった
- カードローンや定期預金、保険商品の抱き合わせ販売があった
- 審査が形骸化し、シェアハウス向け融資は約99%が承認されていた
借り手が受けた影響を考える
水増しされた賃料・入居率をもとに融資を受けると、実際の家賃では返済できない状態から始まることになります。国民生活センターも、投資用マンションの相談事例として「収入に見合わない多額のローン」や「ローン申込書の虚偽記載の指示」を挙げ、虚偽申告をしてはいけないと呼びかけています。虚偽の申告で融資を受けると、借り手自身が責任を問われる可能性もあります。
自分の書類を守るチェックリスト
- 源泉徴収票・確定申告書・預金残高の資料は自分で金融機関に提出する
- 金融機関に提出された売買契約書の金額と、自分が署名した契約書の金額が同じか確認する
- レントロールの賃料・入居率を管理会社や募集広告で照合する
- 融資と一緒に勧められた預金・保険・カードローンが本当に必要か確認する
- 返済予定表を受け取り、DSCRを自分で計算する(ローン返済とDSCR)
相談先・申込先の選び方
融資条件は、販売業者経由の提携ローンと、自分で直接相談した金融機関の条件を並べると、不自然な点に気づきやすくなります。金融機関の対応に関する相談は金融庁の金融サービス利用者相談室、販売業者とのトラブルは消費者ホットライン188、法的な対応は法テラスが窓口です。
よくある質問
業者に「年収を少し高く書けば通る」と言われました。
応じてはいけません。国民生活センターは融資の際に虚偽申告をしないよう注意を呼びかけています。
出典・公的情報
- 金融庁|スルガ銀行株式会社に対する行政処分について(2018年10月5日)(2026-10-12確認)
- 国民生活センター|20歳代に増える投資用マンションの強引な勧誘に注意!(2019年3月28日)(2026-10-12確認)
- 金融庁|金融サービス利用者相談室(2026-10-12確認)
- 消費者庁|消費者ホットライン(188)(2026-10-12確認)
- 法テラス(日本司法支援センター)(2026-10-12確認)
行政処分の内容は金融庁の公表資料の要約です。特定の金融機関の現在の業務状況を示すものではありません。
月額だけでなく、総額と条件も見てみよう。