不動産クラウドファンディングと不動産特定共同事業法
少額から出資できる不動産クラウドファンディングの多くは、不動産特定共同事業法(不特法)に基づく事業です。出資する前に、事業者が許可・登録を受けているか、契約後に解除できる期間はあるかを公的情報で確かめます。
更新日:2026-10-12(制度・数値は同日に公的機関・公式ページで確認)
市場の規模(国土交通省の公表)
国土交通省は2023年9月29日、「クラウドファンディングを活用した不動産特定共同事業に係る実務手引書」を公表しました。その発表資料では、2022年度の不動産クラウドファンディングは419件(前年度比約1.85倍)、出資額約604億円(同約2.61倍)と急増していると説明されています。
事業者の種類と許可・登録
国土交通省の「不動産特定共同事業法の概要」によると、不特法は1994年に制定され、投資家から集めた資金で不動産取引を行い収益を分配する事業の適正な運営と投資家保護を目的としています。
| 区分 | 許可・登録 | 資本金の要件(概要資料) |
|---|---|---|
| 第1号事業者 | 許可 | 1億円 |
| 第2号事業者 | 許可 | 1,000万円 |
| 第3号事業者 | 許可 | 5,000万円 |
| 第4号事業者 | 許可 | 1,000万円 |
| 小規模不動産特定共同事業者 | 登録 | 1,000万円(出資は原則1人100万円・総額1億円まで) |
いずれも宅建業の免許が前提です。インターネットで契約を締結する電子取引業務を行う場合は、業務管理体制の整備が求められ、国土交通省は「電子取引業務ガイドライン」を公表しています。
契約後8日間の書面による解除
不特法26条1項は、事業参加者が契約成立時の書面(25条1項の書面)を受領した日から8日を経過するまでの間、書面で契約を解除できると定めています。解除は書面を発した時に効力を生じ、事業者は解除に伴う損害賠償や違約金を請求できません。これに反する特約で事業参加者に不利なものは無効です。
出資前の確認リスト
- 国土交通省の「事業者及び適格特例投資家一覧」で許可・登録を確認(2026年8月31日更新の一覧が掲載)
- 対象不動産の所在地・賃借人・評価額の根拠
- 想定分配率の算出根拠と、元本割れの条件(劣後出資の割合など)
- 運用期間・途中解約の可否
- 契約成立時書面の受領日(8日間の起算日)
不特法の事業と、金融商品取引法の登録業者が扱う貸付型ファンド(ソーシャルレンディング)は別の制度です(貸付型ファンドの注意点)。
相談先・申込先の選び方
事業者を選ぶ際は、国土交通省の一覧で許可・登録を確認したうえで、案件ごとの資料(物件の評価根拠、劣後出資の割合)を比べてください。トラブルや勧誘への不安は、許可・登録をした行政庁、または消費者ホットライン188が相談先です。
よくある質問
想定利回りは保証されていますか?
想定分配率は保証ではなく、運用状況により分配が減ったり元本が割れたりする可能性があります。契約書面で元本割れの条件を確認してください。
出典・公的情報
- 国土交通省|不動産特定共同事業等について(2026-10-12確認)
- 国土交通省|不動産特定共同事業法の概要(PDF)(2026-10-12確認)
- 国土交通省|不動産特定共同事業法に基づく事業者及び適格特例投資家一覧(2026-10-12確認)
- 国土交通省|不動産クラウドファンディングに係る実務手引書を公表します(2023年9月29日)(2026-10-12確認)
- 国土交通省|不動産特定共同事業法の電子取引業務ガイドライン(PDF)(2026-10-12確認)
- e-Gov法令検索|不動産特定共同事業法(2026-10-12確認)
- 消費者庁|消費者ホットライン(188)(2026-10-12確認)
制度の概要は国土交通省の資料と条文に基づく整理です。個別案件への出資を勧めるものではありません。
月額だけでなく、総額と条件も見てみよう。