事業的規模(5棟10室)と青色申告
物件の数が増えると、不動産貸付けが「事業として行われている」かどうかで税の扱いが変わります。国税庁が示す判断の目安と、変わる項目を確認します。
更新日:2026-10-12(制度・数値は同日に公的機関・公式ページで確認)
判断の目安
国税庁は、事業として行われているかは社会通念上事業と称するに至る程度の規模かどうかで実質的に判断するとしたうえで、建物の貸付けについて次のいずれかに当たれば原則として事業として扱うとしています。
- 貸間・アパート等:貸与できる独立した室数がおおむね10室以上
- 独立家屋の貸付け:おおむね5棟以上
事業的規模で変わる4つの扱い
| 項目 | 事業的規模 | それ以外 |
|---|---|---|
| 青色申告特別控除(令和8年分まで) | 一定の要件で最高55万円。電子帳簿保存またはe-Taxによる申告なら65万円 | 最高10万円 |
| 事業専従者給与・事業専従者控除 | 適用あり | 適用なし |
| 取壊し・除却などの資産損失 | 全額を必要経費に算入 | 資産損失を差し引く前の不動産所得の金額が限度 |
| 賃料等の回収不能による貸倒損失 | 回収不能となった年分の必要経費 | 収入に計上した年分にさかのぼって所得を計算し直す |
国税庁のページでは青色申告特別控除の金額に「令和8年分まで」と付記されています。2027年分以降の取扱いは改正内容を確認してください。
計算例:区分マンションを買い増す場合
本稿の計算(仮定の数値による例)
区分マンションを1室ずつ買い増して7室になっても、室数の目安(おおむね10室)には届きません。この段階では青色申告特別控除は最高10万円の枠で考え、10室前後になった時点で事業的規模に当たるかを税務署・税理士に確認する、という順序になります。
相談先・申込先の選び方
事業的規模の判断は形式的な室数だけでなく実質で行われるため、境目にある場合は税務署または税理士に確認してください。青色申告の承認申請には期限があるため、物件を増やす計画があれば早めに相談しておくと安心です。
よくある質問
10室に届かなければ必ず事業的規模ではないのですか?
国税庁は社会通念上の規模で実質的に判断するとしており、5棟10室は原則的な目安です。個別の判断は税務署に確認してください。
出典・公的情報
- 国税庁|No.1373 事業としての不動産貸付けとそれ以外の不動産貸付けとの区分(2026-10-12確認)
- 国税庁|No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)(2026-10-12確認)
- 国税庁|No.2250 損益通算(2026-10-12確認)
- 国税庁|税についての相談窓口(2026-10-12確認)
控除額は国税庁ページの記載(令和8年分まで)に基づきます。適用要件は申告年分の最新情報で確認してください。
月額だけでなく、総額と条件も見てみよう。